The Linux Foundationによる「Collaboration Summit」が米国サンフランシスコで2009年4月8日から10日まで開催されている。ミラクル・リナックスの鈴木 一郎氏による現地リポート(2日目午前)をお届けする。
モバイル向けLinux「Moblin」が目玉
1日目は午後に現地入りしたこともあり,バタバタと過ぎてしまったが,この2日目からは1日中どっぷりとサミットに浸ることができる。さて,2日目の目玉となるテーマは「Moblin」である。Moblinとは,米Intel社の主導で進められてきた,モバイル向けLinuxプロジェクトである。Moblinは元々,同社のAtomプロセッサの普及のためのプロジェクトという色合いが濃かったが,最近になって,より広いOSSコミュニティからの参加を促すためにThe Linux Foundationにその管理が移管された。他のLinuxディストリビューションとの比較では,
1. MID(Mobile Internet Device)向けにUI(ユーザー・インタフェース) を含めた最適化が行われている
2. 軽量化・高速化に注力している
3. (当然ながら)Atomプロセッサをサポートしている
という特徴がある。
以前は,Ubuntuをベースに構成された「Moblin v1」として開発されていたが,現在はパッケージ管理をRPMに変更して独自ディストリビューションとして再出発した「Moblin v2」に移行している。Moblin v2は,2週間前にalpha2バージョンがリリースされたばかりである。今回のCollaboration Summitは,メイン・スポンサーがIntelであることや,v2への移行期であることの関係からか,Moblin関連のまとまったセッションがあり,参加者の関心も高い。
1日中セッション漬けになるので,集中力を保つためにもまずは腹ごしらえが重要である。会期中の朝食や昼食,休憩時のコーヒーなどは主催者側から提供されるので,筆者ももちろんそれを利用させてもらう(写真1)。大したものは出ないだろうが,一応,セッション開始1時間前に会場に降りて行って食べることにした。
会場に着くと,知り合い同士はもちろんのこと,こちらはまったく知らないのにだれか他の人と勘違いして話しかけてきた人などと次から次への名刺交換が始まって,あっという間に開始時間になってしまった。OSS開発者同士というのは,どこかで必ずつながりがあるもので,初めての相手でもすぐに何かしら共通の話題ができてしまう。大きなホテルの場合,すれ違う人が会議の参加者とは限らないが,そんなときは会場でもらったお土産(写真2)やノベルティ・グッズが大いに役に立つ。Linux関連のTシャツでも着ていれば「ああ,お前もか」という具合である。